テーラーメイドの治療を大切に


加齢に伴う疾患も対象に
── 整形外科は運動器全般を扱う診療科です。
運動器官を構成する骨・筋・神経などの病気・けがを診療の対象とするのが整形外科です。多くの方は突発的な事故などでけがをしたときに治療を受ける科というイメージをお持ちかもしれませんが、加齢に伴う変性疾患──腰部脊柱管狭窄症や変形性関節症などの治療にも力を入れています。
高齢化が進む近年では特に加齢変化に伴う関節症や脊椎疾患が増加しています。千葉市立海浜病院においてもそれは顕著で、近隣の方々の高齢化に伴ってそれらの疾患をお持ちの患者様が増えていることを実感します。一方で幕張エリアには若い世帯の流入が多く、その結果、お子さんから高齢者まで、幅広い世代の患者様を受け入れていることが当院整形外科の特徴です。
開業医との連携を強化
── 千葉市立海浜病院の整形外科について教えてください。
これまでは医師の数が十分ではなく、体制の充実が課題でした。現在では脊椎・脊髄が専門の私が赴任したこともあり、加齢変化に伴う変性疾患に対して予定手術を行う体制を再建しております。
また、近隣の開業医との連携にも力を入れており、お互いに顔の見える関係を築きつつあります。近隣の先生方からは「これまで手術の症例は遠くの病院へ紹介していたので、これからは連携を期待したい」と激励をいただいています。この協力関係ができたことで、千葉市立海浜病院は特に手術と急性期医療に力を入れていくことになると思います。加えてリハビリ病院との連携にも力を入れていきます。
さらに千葉大学の整形外科のサポートにより股関節や膝関節など各パーツのスペシャリストをそろえ、整形外科に関してはすべて専門医が診療する体制を目指していきます。
ニーズにきめ細かく対応
── 整形外科医としてのやりがい、喜びについてお聞かせください。
手術でも保存療法でも、自分の治療した結果がしっかりと目に見える点は整形外科医にとっての大きなやりがいです。同時に、治療の初期から最終的な結果までをトータルに診ることができ、さらにはその後のフォローアップにまで関われる点も面白みです。
もう一点の喜びは、患者様の健康寿命を延ばすことに貢献できることです。整形外科が対象とするのは運動器ですから、健康寿命の増進という点では中心的な役割を担っていると自負しています。
モットーは、患者様のニーズを大切にすることです。患者様が求める治療のゴールは人によって様々です。例えば手術は心臓に大きな負担をかけますから、患者様の体力や年齢、術後の生活についての希望などを考えあわせると、必ずしも手術がベストというわけではないケースがあります。あるいは階段のない建物の上層階にお住まいの患者様ならば、ただ歩けるようになっただけでなく、自力で階段を上れるまで回復することがゴールです。
このように目指すべきゴールはどこなのかを患者様としっかり話し合い、そのニーズに沿った治療、すなわちテーラーメイドの治療を心がけています。
今まで以上に頼りにしてください
── 市民の皆様にメッセージをお願いします。
千葉市立海浜病院の整形外科では、いっそう充実した体制づくりに取り組んでいますので、ぜひご期待いただければと思います。救急についても、ほぼお断りせずに受け入れる体制を整えました。市民の皆さんに今まで以上に頼りにしていただきたいと思います。
また、私はがんの骨転移も専門としています。がんで歩けなくなった患者様でも、整形外科医が関与したことで歩けるようになった患者さんもおります。がん診療においても患者さまに寄り添えるのではないかと思います。
