診療局長 齋藤医師インタビュー
地域医療機関との連携を重視
── 診療局長としてどのようなことを心がけていますか?
千葉市内における中核医療拠点として、千葉市立海浜病院は地域の住民の皆さまの健康を支えています。
特に地域とのつながりを重視し、地域の医療機関との連携を強化。開業医様からご紹介いただいた患者さんを治療し、開業医様の元にお帰りいただくという取り組みを推進し、急を要する患者さんについてのニーズにも確実にお応えしています。
ご紹介をお断りしないよう心がけております。救急で受け入れた際も家にお帰りいただけるところを目標に、地域の福祉関係者等と連携を取りながら進めています。
高齢者医療の充実に取り組む
── 今後力を入れていきたいことは何ですか?
千葉市美浜区、花見川区を中心としたエリアは昭和40年代に造成が行われた埋立地であり、住民の皆さまの高齢化が進んでいます。
一方で人気の湾岸エリアということで、新しいマンションに暮らす若い世代も増えています。こうしたニーズに応える総合的な医療の展開が、千葉市立海浜病院の使命だと考えています。
特に高齢者医療の充実は大きなテーマで、多様な疾患をもつ高齢者に、救急医療を含めた包括的な初期対応ができるホスピタリストの育成にも力を入れています。
私たちは患者さんと一緒に考え、一緒に悩み、そして一緒に病気と闘う姿勢を大切にしています。市民の皆さまには、ぜひ優秀な主治医を見つけようという姿勢で足を運んでいただければと思います。
正解がないから終わりがない
── 医師としてのやりがいは何ですか?
医療には、正解がありません。どんな病気も、患者さん1人ひとりによって状態が異なりますし、それぞれに合わせて対応をすることが必要です。ですから私たち医者は常に悩みながら患者さんと向き合い、学び続けています。決して同じ事の繰り返しではありませんから、これでいいという終わりはなく、そこがモチベーションにもつながっています。
当然新しい治療法の吸収に対しても貪欲です。患者さんと向き合いながら悩み続け、時には試行錯誤を繰り返していくわけですから、患者さんが元気になって退院されていく姿を目にしたときの喜びは格別です。
正解のない仕事だからこそ、喜びや醍醐味も大きいのです。
患者さんの人生に寄り添うように
── 消化器内科医を志したきっかけを教えてください。
私が消化器内科医としての道を歩むことに決めたのは、学生時代、肝がんの治療のために外国から大勢の患者さんがやってくる姿を目の当たりにしたことがきっかけでした。
当時、私の大学では世界初の画期的な治療法を導入しており、私もそのチャレンジに取り組みたいと志したのです。
医師として私が大切にしていることは、患者さんとともに闘う姿勢です。例えば難病である潰瘍性大腸炎やクローン病の治療も手がけていますが、治療期間は非常に長期にわたり、中学生だったある患者さんは成長し、結婚してお子さんもできました。
そうした長い時間、患者さんの人生に寄り添うように、治療を続けています。
まさに患者さんと一緒に生きてきたという実感があり、それは私にとっての大きな喜びとなっています。
齋藤 博文
千葉市立海浜病院 診療局長(内科)
1988年より消化器内科医師としてキャリアをはじめる。
2000年より千葉市立海浜病院に勤務。地域の先生方との病診連携を中心に地域医療に尽くすとともに、2004年より粘膜下層剥離術(ESD)、2009年より超音波内視鏡(EUS)、2010年よりカプセル内視鏡など、新しい技術と機器導入を積極的に行っている。
-
資格
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本消化器学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本胆道学会指導医略歴
1988年 千葉大学医学部卒業
1998年 千葉大学大学院 医学博士取得
2000年 千葉市立海浜病院 消化器内科主任医長
2012年 千葉市立海浜病院 消化器内科統括部長
2013年 千葉市立海浜病院 内科統括部長
2016年 千葉市立海浜病院 診療局長