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〒261-0012 千葉市美浜区磯辺3-31-1Tel. 043-277-7711(代表)

インタビュー一覧

寺井前事業管理者インタビュー

安心して過ごせる日常を実現したい

──院長として大切にしてきたことは何ですか?

小児科医としてキャリアをスタート以来、私は長年にわたって千葉県の小児医療体制の充実に係わってきました。私が医者を志した昭和40年代当時は、小さな命を救えない時代でした。重い心臓病、白血病、そして小さく生まれた命…。このようなこどもたちの治療がまだまだ困難な時代でした。

しかし、その後の医療の進歩により、多くのこどもたちが助かるようになりました。そうした時代の歩みとともに「こどもたちの医師」としてのキャリアを重ねてこられたことは喜びの一つです。

世界でも類を見ない少子超高齢社会に生きるこどもたち、その親、高齢者が、「千葉市に暮らしてよかった」と思っていただけるように努力いたします。

小さな命を守る

海浜病院 寺井院長

──千葉市立海浜病院の特徴を教えてください。

少子超高齢社会において、我が国では小さな命、こどもたちをケアできる医療機関は限られてきています。

その中で、千葉市立海浜病院は広域の地域周産期母子医療センター地域小児科センターに指定され、母胎・胎児集中治療室(MFICU)、県内最大の新生児集中治療管理室(NICU)も備えた施設として、ハイリスクの妊産婦や小さく生まれたこどもたち、障がいを持って生まれたこどもたちのケアを行っています。

高齢者に求められる医療を

海浜病院が位置する美浜区と周辺地域では高齢者人口が急増しています。高齢になるほど遠方に移動することが徐々に難しくなり、地元の基幹施設である海浜病院で総合的にケアできる体制づくりが必要と考えております。

特に、救急、消化器、循環器、呼吸器、糖尿病、耳鼻いんこう科、眼科、泌尿器、形成外科、そして、がん診療の充実を図っています。整形外科や脳神経の充実には少しお時間をいただければと思っております。高齢者のみなさまが安心して海浜病院で治療を受け、1日、1日を大切に思っていただけるように支援をさせていただきたいと思っています。

今これからの時代に求められるホスピタリストを育成

海浜病院 寺井院長イメージ

──今後はどのようなことに力を入れていきますか?

ホスピタリスト(病院総合医)の育成も高齢者のケアに重要で、千葉市立海浜病院の掲げる大きなテーマです。

社会の高齢化の進展に伴い、多臓器にわたる病気を抱える高齢者が珍しくなくなりました。しかし、医療の専門化が進む中、縦割り型の診療組織ではそうした患者さんを十分に支えることが難しいのが現実です。そこで病棟専属医として入院患者さんのケアに専念するホスピタリストのニーズが高まってきました。
千葉市立海浜病院ではホスピタリストの育成に力を入れています。

また、女性の医療スタッフの活躍も千葉市立海浜病院ならではの特徴です。院内保育所を整備し、子育てしながらの勤務がしやすい短時間勤務制度・環境づくりに力を入れています。女性の目線、気持ちに立って医療に従事できる医師、スタッフが多いことは、女性の患者さんにとっての大きな安心感に結びつくことでしょう。

いつでも頼りにされる病院を目指して

──地域の皆さんにメッセージをお願いします。

今後はさらなる診療科の整備に取り組み、総合的に患者さんをケアできる体制を目指します。現在は電話再診の活用、将来は遠隔医療も推し進めていくほか、コメディカルスタッフのさらなる充実にも取り組んでいきます。
千葉市美浜区を中心とする一帯には地域医療を支える中核病院が少なく、地域医師会と連携してご家族と共に心安らかな日々を送ることのできる環境づくりに貢献してまいります。

2025年開院予定の新病院について

──どのような病院を目指しておられますか。

地球温暖化の影響により災害が巨大化していること、コロナウイルスに代表される新興感染症が再び発生すること、このような災害や感染に対応できる病院を目指しております。少子超高齢社会が加速するなか「胎児から高齢者まで」ケアできる総合病院として市民の皆様の期待に応えて参ります。


寺井 勝 
前千葉市病院事業管理者

千葉大学医学部を卒業し、小児科医としてのキャリアをスタート。東京都立墨東病院、三宅村診療所、東京女子医科大学循環器小児科などにおいて救急医療、離島医療、循環器診療、集中治療を研鑽し、千葉県の小児医療の普及に関わる。

2006年より千葉県八千代市の大学病院立ち上げに参加、小児のER型救急医療、小児集中治療室(PICU)を立ち上げ、2009年より病院長として地域医療の充実に関わる。

2016年から2022年まで千葉市立海浜病院の院長、2020年から千葉市病院事業管理者としてこれからの時代に求められる「胎児から高齢者まで」ケアできる総合的な医療の推進を目指している。


資格
日本小児科学会 小児科専門医・小児科指導医
日本小児循環器学会 小児循環器専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本小児救急医学会 スペシャルインタレスト
日本集中治療医学会 集中治療専門医
日本成人先天性心疾患学会 暫定専門医

略歴
1978年 千葉大学医学部卒業
1979年 東京都立墨東病院(三宅島診療所)
1982年 千葉市立病院
1983年 東京女子医科大学心臓血圧研究所循環器小児科(~1985年)
1988年 千葉大学 小児科 助手/講師/助教授 (~2006年)
1993年 米国 Children’s Memorial Hospital(シカゴ)感染症科研究員(~1995年)
2007年 東京女子医科大学八千代医療センター 小児科教授 (~2015年)
2009年 同 病院長 (~2014年)
2016年 千葉市立海浜病院 病院長(~2022年)
2020年 千葉市病院事業管理者(~2023年)

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