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脳神経外科 科長 吉田医師インタビュー

垣根の低い脳神経外科でありたい
垣根の低い脳神経外科でありたい

2023年4月に本格稼働

── 1年間の準備期間を経て、いよいよ2023年4月に本格稼働となりました。

私自身は2022年に海浜病院に着任し、脳神経外科医として救急科に所属して、脳神経疾患の対応に当たりました。並行して看護部(病棟・手術室・救急外来)や放射線部、リハビリテーション部、地域連携室等と連携を取りながら、脳神経外科の立ち上げに向けた準備を進めました。その結果、入院も含めて体制が整ったということで、2023年4月に本格的な立ち上げを迎えたわけです。

私は千葉大学医学部附属病院で急性期の脳血管障害の患者さんを受け入れる専用病室SCU(Stroke Care Unit)の立ち上げに携わりました。その経験を踏まえ、千葉市における地域医療体制のさらなる充実を図るため、救急診療に携わりながら脳神経外科を立ち上げることになりました。

2次救急医療機関として

── 地域の方々からの期待は大きいようですね。

地域の主要な2次救急医療機関として、軽症から重症まで、幅広く対応しています。地域のクリニックの先生方に伺いますと、軽症の脳卒中の患者さんの入院施設を探すのには苦労なさっていたらしく、「軽症から中等症の患者さんを送れるのは大変に助かります」とおっしゃっていただいています。そうした期待に応え、脳卒中に限らず脳神経疾患が疑われる症例に対しては迅速かつ積極的に対応しています。クリニックを含め、地域の皆さまにとって垣根の低い脳神経外科でありたいと考えています。

先駆的な外視鏡手術を導入

── 特徴を教えてください。

千葉大学医学部附属病院の脳神経外科との密接な連携により、最新の医療機器を用いた治療を導入しています。特に近年では顕微鏡の代わりに外視鏡と呼ばれるカメラを用いた手術が行われるようになっており、当院でもいち早く外視鏡を導入いたしました。次の世代を担う脳神経外科医にとって魅力的な環境だと思うので、人材育成という点でも意義深いことだと考えています。また、コメディカルを含め、全員で脳神経外科を積極的に盛り上げていこうという姿勢も大きな特徴です。入院診療を始める際は、勉強会にも大勢参加してくれました。私が嬉しかったのは、新しく加わってくれたメンバーが「脳神経外科としてしっかりした診療ができますね」と言ってくれたことです。これも周囲のスタッフが体制を整えてくれたおかげだと、感謝しています。

理想の環境づくりを目指して

── 今後の目標を教えてください。

脳神経外科としての私のテーマは、脳卒中治療の理想的な環境づくりです。もちろんそれは中長期的な視点で取り組むべきテーマで、先ほど申し上げたSCUの立ち上げがその第一歩だったとしたら、海浜病院での脳神経外科の立ち上げが次の一歩と考えています。これから新病院の開業に向けて、千葉市の医療機関全体を巻き込み、連携しながら、理想的な環境づくりを進めていけたらと思います。
脳神経外科では血栓回収療法が一般的になるなど、これからもブレークスルーはどんどん起きていくと思います。それに備えて救急隊も含めた一体の体制をつくらなければならないし、市民の皆さんへの啓蒙も重要になるでしょう。そうしたことも含めた環境づくりに取り組んでまいります。

気になったらすぐ相談を

── 患者さんへのメッセージをお願いします。

ちょっとでも気になることがあったら、気軽にご相談いただきたいですね。脳の病気は「たいしたことない」と見過ごしたことが命とりになることもあります。「こんなことでわざわざ脳神経外科なんて大げさでは」と思わず、ちょっとでも気になったらすぐに受診していただければと思います。

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