臨床倫理
臨床倫理指針
- 患者さんの人格、思想、信仰などを尊重し、公平な医療を行います。
- 患者さんの有益な医療を優先し、公正な医療を行います。
- 治療の十分な説明と同意に基づいて、患者さんの自己決定権を尊重した医療を行います。
- 患者さんの個人情報を保護し、守秘義務を遵守します。
- 患者さんの尊厳及び人権に関わることについては、倫理委員会で審議を行い、方針を決定します。
輸血拒否に対する基本方針
- 当院の基本方針は相対的無輸血です。
可能な限り無輸血に努力しますが、原則的に『輸血以外に救命手段がない』事態には輸血を行います。
これを相対的無輸血と言います。患者さん及びご家族等の関係者にはこの基本方針について十分な説明を行ないます。 - インフォームド・コンセントに基づき医療を提供します。
患者さんの病状・病名、医療行為の内容などを説明し、その医療行為に輸血治療がどの程度必要であるかを提示したうえ、患者さんの判断と選択に基づき医療を提供します。当院は相対的無輸血の方針であることを患者さん及びご家族等の関係者に十分な対話によりご説明しますが、ご同意いただけない場合には他院での診療をお勧めします。
- 緊急事態で輸血以外に救命手段がない場合は輸血します。
時間的な余裕がなく、インフォームド・コンセントや転院の対応ができない場合で、輸血以外に救命手段がない場合には、患者さん及びご家族等の関係者の意思に関わりなく輸血を行います。事後に診療経過の説明を行います。
- 患者さんの意思決定を尊重します。
輸血を拒否される患者さんの思想や自己決定権について最大限尊重します。可能な限り無輸血に努力し、公平で最善の医療を提供します。
- 患者さんの所持する輸血謝絶兼免責証書等には署名しません。
『輸血以外に救命手段がない』事態には輸血を行う方針ですので、患者さんがお持ちの輸血謝絶兼免責証書等には署名しません。
臓器提供における基本方針
- 患者さんまたは、ご家族の意思に基づき、心停止後の眼球(角膜)の提供が可能です。
- 当院では心停止下の腎臓及び膵臓の提供はできません。
- 脳死下の臓器提供は施設基準を満たしていないためできません。
- 当院は、「献眼登録カードや臓器提供意思表示カード(ドナーカード、マイナンバーカード、保険証、運転免許証)」を保持している患者さんへの対応と患者さんの死後にご家族から眼球提供の意思表示があった場合の対応を院内において定めています。
- 当院では、法令を遵守し、臓器提供の任意性と移植機会の公平性を確保します。
- 患者さん・ご家族から、眼球提供の意思表示があった場合は「個人情報保護方針」に沿って守秘義務を遵守します。