小児・周産期医療
関連診療科
海浜病院の小児・周産期医療の特色
地域小児科センターとしての使命
海浜病院は、千葉県保健医療計画において示されている地域小児科センターであり、日本小児科学会においても地域小児科センターとして登録されています。
二次医療圏である98万人口の千葉市において中核的な小児医療を実施する医療機関と位置づけられています。
その大きな使命の一つとして、24時間365日、入院や救急対応を要すると思われるすべてのこどもたちを受け入れ、迅速で適切なER型小児救急を実践することです。千葉市夜間応急診療(夜急診)においては、患者数の多い22時まで、海浜病院小児科の看護師により、受診したこどもたちの緊急度を判定するトリアージを実施しています。
緊急度の高いこどもたちは海浜病院の小児科医師が担当し、待合室で診察を一定時間待てる病状のこどもたちは夜急診の医師会医が担当します。このER型救急により、緊急性の高い病児に速やかに対応することで、重症化していくのを防いでいます。
診療時間外の夜間に限らず、土・日・祝日にこどもの病気や事故が生じた場合には、受け入れ可能な医療機関は限られます。千葉市の小児救急医療体制の柱として、診療時間外においても、一次医療機関、主に医師会医が担う夜急診や千葉市休日診療所、さらには市内外の救急隊から入院及び救急対応を要すると連絡があった場合には、速やかに受け入れ、怪我や熱傷、頭部外傷なども小児科医が窓口となり、こどもたちとご家族に安心な医療を提供する体制を整えています。
夜急診を含め、現在、私たちはこどもたちの救急車を毎年約2,200〜2,300台受入れています。この初期対応でより高度な診療が必要な病状と判明した場合には、適切な三次医療機関に紹介する役割も担っています。
海浜病院は千葉県の地域周産期母子医療センターとして、新生児科を設置、24時間365日、専門性の高い新生児医療を提供しています。重症児の治療室(NICU)は21床、回復した児の治療室(GCU)は25床を有しています。特に、海浜病院は県内の超低出生体重児の拠点の一つとして機能しています。体重の小さい赤ちゃんの出産が予想される妊婦さんや、お腹のお子さんに何らかの病気が疑われている妊婦さんについては、母体・胎児ICUにあらかじめ入院して頂き、麻酔科、産婦人科、新生児科が連携し、出産の時点から治療を開始できるように努めています。また、院外で重症のお子さんが生まれる場合には救急車で医師と看護師が出向く、お迎え搬送を24時間体制で行っています。
こどもたちがいつも輝いていられるよう、外来と入院診療以外にも、診療所、千葉市小児科医会、千葉市の行政機関、保育園・学校等、さらには市外の特別支援学校とも連携し、こどもたちを育み、成長を見守るまちづくりを支援しています。地域保健にも積極的に関わっており、千葉市学校健診の三次検診機関として心臓病・腎疾患の精査や、千葉市に留まらず、過疎地域の乳児健診を担当しています。
上述したような使命を継続するとともに、次世代に活躍できる小児の総合医や救急医の育成に向けて、小児科専攻医の基幹施設として機能しています。小児科専門医を取得したのちの専門領域では、新生児、循環器、感染症の専門医育成の学会認定施設としても機能しています。また地域小児医療の診療レベルを向上するため、定期的に地域の医師と公開カンファレンスを開催しています。
先進諸国でも類を見ない少子超高齢時代において、さらに集約化が進むであろう周産期・小児医療をしっかりと提供すべく、これからも地域の皆さんの要望にお応えできる海浜病院として前進していきます。
地域周産期母子医療センターとしての使命
当センターは、お産と生まれた赤ちゃんに対するあらゆるトラブルに対応するための施設です。千葉県周産期救急医療システムの基幹病院として県内で発生する産科救急・新生児救急疾患に24時間体制で対応することを目的としています。
平成22年5月に千葉県より「地域周産期母子医療センター」の認定を受けました。当院の各診療科と連携し、様々な合併症の妊婦にも対応しています。また地域の需要に応じて一般妊婦・分娩にも対応しています。
産科と新生児科が共に一つの診療科として診療を行っています。
対象疾患
小児の主な対象疾患
- 呼吸器疾患
- 消化器疾患
- アレルギー疾患(気管支喘息、食物アレルギーなど)
- 神経疾患(てんかん、脳症など)
- 川崎病
- 循環器疾患(先天性心疾患、不整脈)
- 代謝疾患(遺伝性疾患、糖尿病など)
- 内分泌疾患
- こどもの救急疾患(外傷、やけど、薬物誤嚥を含む)
産科・新生児の主な対象疾患
- 正常妊娠・分娩
- 産科的異常のある妊婦・分娩
- 他科合併症のある妊婦・分娩
- 正常新生児、低出生体重児・早産児等の新生児
専門外来について
小児の専門外来
各種の専門外来を開設しております。完全予約制です。
小児科に加え、小児外科疾患、小児整形外科疾患、小児耳鼻科疾患、小児形成外科疾患、小児心臓外科疾患も専門医が診療する体制を備えております。発熱・下痢などの急性期症状がある場合は一般外来の受診をお願いしております。ご理解の程、宜しくお願い致します。
対象となる疾患等
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アレルギー | 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど |
神経 | てんかん、けいれん、脳症、発達遅滞、筋ジストロフィー、小脳失調など |
循環器 | 川崎病冠動脈瘤、先天性心疾患、成人先天性心疾患、不整脈、心筋症など |
先天代謝異常症 | アミノ酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、糖代謝異常症など |
代謝・消化器 | 難治性下痢症、肝臓病、膵炎など |
感染症 | 慢性気管支炎、免疫不全など |
内分泌・代謝 | 甲状腺疾患、副甲状腺疾患、糖尿病、低身長など |
腎疾患 | ネフローゼ、急性腎炎、溶血性尿毒症症候群など |
免疫・膠原病 | 川崎病、IgA血管炎、リウマチ熱、好中球減少症など |
血液疾患 | 血小板減少症、貧血、好中球減少など |
小児外科疾患 | 虫垂炎、ヘルニア、停留精巣、精巣捻転、腸重積症など |
小児整形疾患 | 骨の先天性疾患、股関節疾患、骨折、側弯症など |
小児耳鼻科疾患 | 中耳炎、難聴、鼻炎、扁桃肥大、めまいなど |
小児形成外科疾患 | 顔面外傷、やけど、多指症、あざなど |
小児心臓外科疾患 | 先天性心疾患、弁膜症、大動脈疾患など |
新生児 | 発達、黄疸、体重増加不良、先天性疾患 |
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産科・新生児の専門外来
- 遺伝カウンセリング外来 (毎週水曜日 午後)
:妊娠に関すること - 新生児フォロー外来 (水曜日 午後 完全予約制)
:当院新生児科を卒業し長期的フォローアップの必要な場合を対象に実施
外来予約について
小児科の予約について
かかりつけ医からの紹介状をお持ちの方は、下記の予約専用電話をご利用ください。
-
電話番号:043-277-8014
受付時間(月曜〜金曜):9時~12時、13時〜16時
【一般外来(午前)】
予約をされずに来院された場合、新患・予約外担当医師が担当させて頂きます。
一般外来への受診には紹介状は必要ではありませんが、かかりつけ医からの紹介状をご持参いただくと、よりスムースに診療を進めることが出来ますので、ご協力をお願いいたします。
前医で受けられた検査の結果や処方された薬の内容及び予防接種の記録は、診療上大切な情報であることをご理解願います。お薬手帳や母子手帳をご持参いただきますようお願いいたします。
専門外来は完全予約制です。発熱・下痢などの急性期症状がある場合は午前中の一般外来の受診をお願いしております。ご理解の程、宜しくお願い致します。
受付時間(月曜~金曜):8時30分~11時30分
産科・新生児科の予約について
かかりつけ医からの紹介状をお持ちの方は、下記の予約専用電話をご利用ください。
-
電話:043-277-8014
受付時間(月曜〜金曜):9時~12時、13時~16時
【産科新患外来(午前)】
受付時間(月曜・水曜・木曜):8時30分~11時30分
施設・設備の紹介
小児
小児病棟は3階です。小児病棟には、小児科、小児外科、耳鼻科、心臓外科、整形外科、形成外科などのお子さんが入院する病床です。
小児のベッド数42床(うち、ハイケアユニット4床、預かり病床4床、有料個室4床)です。
産科
産科病棟は7階です。産科病床30床、母体・胎児集中治療室(MFICU)3床、新生児集中治療管理室(NICU)21床、新生児治療回復室(GCU)25床を備えており、産科と新生児科が連携しながらハイリスクの妊産婦や新生児の受け入れを行っています。
なお、新生児病棟46床(NICU21床、GCU24床、感染隔離室1床)は3階にあり、10名の専従医が担当しております。