成人先天性心疾患診療部
診療部の特色
2018年より成人先天性心疾患外来を開始しました。2020年からは心臓血管外科の再開にあわせて診療体制を充実させております。成人先天性心疾患診療では小児循環器科医や成人循環器科医だけではなく、様々な診療科と、看護師、心理療法士、検査技師、理学療法士、社会福祉士、緩和ケアチーム等の各種部門が連携して、心臓をはじめとした身体的問題や、精神心理的問題、社会的問題に対応しています。
成人先天性心疾患の特殊性
先天性心疾患では、成人期の専門家がとても限られています。昔は重症の先天性心疾患のお子さんが成人することは稀でしたので、専門とする医師もほとんどいなかったのが、その理由です。
しかし1990年以降は重症の方の心臓手術成績も安定してきて、先天性心疾患のお子さんの約9割が成人することができるようになり、現在は毎年約9000人ずつ増加しています。
成人期の問題
軽症の先天性心疾患患者さんの多くは、成人後も問題なく過ごすことができますが、ある程度以上の重症な先天性心疾患の方は、成人期にも継続的に治療が必要となる場合もあります。また注意深い観察も重要です。
先天性心疾患に関係する心臓の問題だけでなく、心臓が原因となる他の臓器の問題、加齢に伴う全身の問題、女性であれば妊娠や出産の問題もあります。身体的な問題以外でも、就学や就労等の社会生活、社会保障などの社会的問題や、精神心理的問題も出てくる場合があります。
身体的な問題
- 先天性心疾患が原因の心臓の問題
- 心不全、不整脈、弁膜症、感染性心内膜炎
- 先天性心疾患が原因となる他の臓器の問題
- 血栓塞栓症、腎障害、肝硬変、蛋白漏出性胃腸症、肺高血圧
- 加齢に伴う問題
- 高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、脳梗塞
- 妊娠・出産
- 各種カウンセリング、心不全や不整脈のコントロール
精神心理的問題
- 先天性心疾患関連の問題
- 病気の理解・受容、精神的自立、自己決定
- 二次的な精神的問題
抑うつ、不安
社会的問題
就学、就労、結婚、経済的問題、社会保障、生命保険
診療体制
さまざまな分野にまたがる問題は、小児循環器専門医や循環器専門医だけでは対応が不十分です。2019年にスタートした成人先天性心疾患専門医を中心に、様々な診療科や部門のみならず、院外の団体や施設とも強く連携しながら患者さん毎のニーズに応じた診療を提供していく必要があります。
関連診療科
主な対象疾患
- 成人先天性心疾患
- 川崎病の冠動脈病変
- 心筋症
- 遺伝性不整脈(QT延長症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍等)
専門外来
循環器科外来と小児科外来にて成人先天性心疾患外来を開いています。
留意事項
予め電話でご予約ください。緊急の場合は予約なしで診療しますが、担当医が不在の場合、他の専門医が対応することをご了解ください。
施設・設備の紹介
2022年4月に開始された日本成人先天性心疾患学会認定の専門医制度において、総合修練施設として認定を受けております。専門医は5名在籍し、診療と若手の教育を行っております。
診療科 | 担当医 |
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小児科 |
統括部長 立野 滋
部長 江畑 亮太
部長 高田 展行
医長 鋪野 歩
医長 池田 翔
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循環器内科 |
顧問 丹羽 公一郎
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心臓血管外科 |
顧問 松尾 浩三
顧問 青木 満
部長 椛沢 政司
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