心臓血管外科再建に向けた医療安全の取組み
心臓血管外科再建に向けた医療安全の取組みについて
平成27年に生じた心臓血管外科の死亡事例を重く受け止め、「千葉市立海浜病院心臓血管外科手術調査委員会」「千葉市立海浜病院医療安全管理体制第三者検証委員会」という2つの外部委員会の提言を受け、院内の医療安全体制について徹底的に見直しを行い、令和2年から新メンバーで再開するに至りました。
これからも医療安全への取組みを推進し、安全安心な医療に努めてまいります。
事例発生後の改善取組みの概要
あるべき説明と同意の姿のために
手術前の説明が不十分だったとの指摘があったことから、説明文書・同意文書を見直しました。
患者さんが重要な意思決定をしなければならないときは、看護師などの同席や患者さんの質問の機会を設けることを義務付けるとともに、当院で行われる侵襲の大きい手術・検査・処置すべて（2021年時点で約300種類）について、患者さん目線の内容になっているかを承認部門がチェックするようにしています。
医療安全部門の素早い介入のために
院内で起きている事象を医療安全室が素早くキャッチできるよう、インシデントレポート（医療事故に関する報告書）の提出はもとより、事故の有無に関係なくすべての手術症例、死亡症例の報告を義務付けています。
コミュニケーションを深めるために
医療事故の防止や医療の質の向上を図るため、職種や経験の壁を越えた意見交換の場を多く持てるよう、定期的な事例検討会だけでなく、部門・部署の症例カンファレンスや外部の有識者を招いてM&Mカンファレンス（発生したケースを組織横断的にスタッフ間で振り返り、情報・意見交換を行う会議）や症例検討会を積極的に開催しています。
労務環境改善のために
業務負担軽減のために、タスク・シフティング（医療従事者の合意形成のもとでの業務の移管）の推進や業務改善を図ったことで、医師だけでなく病院全体の時間外勤務が少なくなりました。
心臓血管外科診療再開に向けて
心臓血管外科手術を安全に行うために
令和2年、新たに経験豊富な心臓血管外科医師2名が赴任しました。
循環器内科、救急科、小児科、新生児科とのチームを編成するとともに、必要に応じて外部の心臓血管外科医師の協力が得られるよう、安全に手術が行えるよう体制を整えました。
Tele-ICU（遠隔集中治療支援）の導入
手術後の安全な管理のために、千葉大学集中治療部と海浜病院の間でTele-ICU（遠隔集中治療支援）を導入し、千葉大学と連携し、ICU管理を行ってまいります。