副院長 横田医師インタビュー
真にシームレスな医療体制づくり
──千葉市立青葉病院の特徴を教えてください。
安全・安心な医療を地域の皆さまに提供する中核的な病院であることが、私たち千葉市立青葉病院が自らに課した姿です。この使命を実現するために私が大切にしているのは、患者さんに関わるすべての診療部門が完全に対等な立場で手を結び合える環境をつくることです。どのような疾患、どのような患者さんに対しても、医師が1人でできることは限られています。医師、看護師、薬剤師、検査技士、管理栄養士…あらゆる部門のプロフェッショナルがお互いをリスペクトしながら対等の立場で協力し合えてこそ、真にシームレスな診療体制を実現できるのです。そんなチームをまとめ上げる“指揮者”が主治医と言っていいでしょう。
“知らない顔がいない”からこそ生まれる信頼感
──大切にしているのはどんなことでしょうか。
確かな一体感に支えられたチーム医療を実現する上で、千葉市立青葉病院が強みとするのは、中規模病院ならではの風通しのよさです。
医師はもちろんのこと、コメディカル、さらには事務スタッフも含め、お互いに“知らない顔はいない”というのが実感です。つまり仲間として互いを認め合っているから、信頼が生まれ、リスペクトが生まれており、それがチームとして120%の力を発揮できる環境につながっているのです。患者さんにしっかりと寄り添う、納得のいく診療は、こんなカルチャーから生まれています。
生命の重さと真正面から向き合いながら
──医師として大切にしていることを教えてください。
桜の季節を迎えると今も思い出す患者さんの顔があります。その方は、かつて私が主治医として担当した若い白血病患者です。大変残念なことにその方は白血病が再発し、亡くなってしまいました。当時の自分の力量では若い命を救えなかったことに私は大きな衝撃を受け、以来、医師としての私のスタンスは劇的に変わったのです。
どういうことかというと、自分の下した判断、行っている診療が正しいか、とことん自問自答を繰り返すようになりました。今私は、患者さんの命をお預かりすることに対する責任の重さを常に自分に言い聞かせ、深い覚悟を持って患者さんと向き合っています。そして、目の前の患者さんはもちろんのこと、明日お目にかかることになる患者さんにも想いを寄せ、手を尽くすことを自分に課しています。
次代を担う人材の育成にも尽くす
──今後のテーマは何でしょうか。
副院長として、若い人材の育成も私の大切なテーマです。
臨床の99%は技術に裏付けられたロジカルなアプローチで進めていくことができますが、残りの1%は自分の感性を磨くしかありません。私は、次代を支えることになる若い医師たちに向けて、技術はもちろんのこと、感性を磨くためにも常に深く考えさせる指導を行っています。
そこから育った若い医師たちが、“知らない顔はない”オープンな風土の中、現場の課題はその場で迅速かつ正しく解決していく環境をつくりたいと考えています。それが市民の皆さまに、より安心して頼っていただける病院づくりにつながると信じています。