救急医療について


年間約4,900件の救急車搬送を受け入れ
──千葉市立青葉病院の救急科の方針を教えてください。
千葉市立青葉病院は、2次医療機関でありながら救急専門医を擁する医療機関として、千葉市の救急医療体制の中核的役割を担っています。
独立した診療科として救急集中治療科をもち、救急外来に加えてICU(集中治療室)も用意していることから、文字通り千葉市における“最後の砦”として、年間約4,900件の救急車搬送を受け入れています。
総合病院として内科系診療科をはじめ、外科・消化器外科、整形外科その他の幅広診療科と連携し、救急患者さまを受け入れる人員と体制を整えています。
精神疾患の患者さんも
──どんな患者さんを受けて入れていますか。
“最後の砦”である市民病院としての使命は、例えば精神疾患の患者さまを受け入れていることにも反映されています。緊急搬送の患者さまには神経疾患をおもちのケースが少なくありませんが、当院は救急集中治療科と精神科を併せ持っているため、受け入れが可能です。
また、一般的に救急医療にとって“魔の時間帯”とも呼ばれている午前6時から午前8時の間についても、受け入れが可能です。
“2.5次”の医療機関として

──特徴は何ですか。
年間約4.900件の救急車搬送のうち、簡単な処置や診察でその日のうちにお帰りいただくことが可能な患者さまが約6割です。一方で、適切な処置を行わなければ生命を落としかねない重篤な患者さまも搬送されており、そうした患者さまは3次医療救急機関へと転送することが必要です。
このように当院では1次から3次までの救急搬送の患者さまを受け入れ、適切な判断のもと、最善の対応を行っています。その意味では“2.5次”の医療機関と呼んでもいいでしょう。新型コロナウィルスの治療でも話題となった「ECMO(エクモ)」も備えており、呼吸不全の患者さまも受け入れ可能です。
より幅広い領域の患者さまを
──今後の方針について教えてください。
今後は、構想中の新病院との連携も含めて、より充実した救急医療体制を構築していきたいと考えています。千葉市立病院再整備基本構想(案)において、新病院では救急医療を強化することが考えられています。
私たちとしては新病院との連携によってより幅広い領域の患者さまを受け入れられるようにしたいと考えており、市民の皆さまに今まで以上の安心をご提供できることを目指しています。
さまざまな疾患と向き合いたい

──先生のポリシーについて聞かせてください。
私自身は医者になって3年目から救急医療に携わってきました。救急にはあらゆる疾患の患者さまがいらっしゃいます。さまざまな疾患、症状の患者さまに接することに、医者としてのやりがいを感じています。
救急搬送されて入院することなくお帰りになる患者さまが約6割とお話ししましたが、お帰りの際に「ありがとう」という言葉をいただくのは、医者として本当に嬉しいものです。今後もさらに幅広い疾患の患者さまへの救急医療を通じて、市民の皆さんの安心を支えてまいります。