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インタビュー一覧

耳鼻いんこう科

青葉病院 いんこう科 統括部長 杉本 晃
青葉病院 いんこう科 統括部長 杉本 晃

“手術難民”が問題に

──一般的な耳鼻いんこう科の状況について教えてください。

耳鼻いんこう科には手術による治療が必要な疾患が多くあり、以前は開業医でも入院手術が行われていました。しかし時代の流れで、現在ではほとんど行われなくなりました。また深刻な医師不足で、手術を行っている病院は減ってきています。
さらに、たとえ手術を行っている病院でも医師の専門や設備の関係で手術の種類は限られます。“手術難民”という言葉があるほど、患者さんにとって手術を受けやすい状況とはいえないのが現実です。

最新の設備で耳科手術も可能

──千葉市立青葉病院の耳鼻いんこう科の特徴は何ですか。

千葉市立青葉病院の耳鼻いんこう科では2021年春より常勤医が赴任し、耳、鼻、咽頭、喉頭、頭頸部と幅広く手術治療や入院治療を行っています。昨今では耳科手術の設備を整えている病院が少ない中、千葉市立青葉病院では耳科手術にも対応できる体制を整えました。

最もポピュラーな耳科手術に「鼓室形成術」があります。これには病変部を大きく削開するオープン法と、施術後にできるだけもとの耳の生理的な構造に近づけて術後処置を不要にするクローズド法があります。耳漏の持続や耳垢が大量にたまることのないクローズド法は理想的ですが、ある程度の技術が必要です。
千葉市立青葉病院ではこのクローズド法を基本とし、新しい手術方法の導入にも意欲的です。

内科との協力体制で甲状腺・副甲状腺疾患に対応

青葉病院 いんこう科 統括部長 杉本 晃

──甲状腺・副甲状腺センターについて教えてください。

2018年に開設された甲状腺・副甲状腺センターの一員として、内科と協力しながら甲状腺・副甲状腺疾患の診断から治療・手術まで一貫して行える体制を構築しています。
副甲状腺ホルモン術中迅速測定器など、最新鋭の設備機器も導入。高いレベルの手術が可能となっています。

患者さんへの丁寧な説明を大切に

──先生が大切にされていることは何ですか。

患者さんがご自身の病気や症状について理解しやすいよう、説明の際には画像や模型を効果的に使うことを心がけています。耳や鼻、のど、頸部の状況を患者さんと一緒に確認しながら説明することもあります。

千葉市立青葉病院では「わかりやすく納得のいく医療を 心のこもった笑顔で」という基本理念を掲げており、私自身も患者さん1人ひとりとじっくりお話しし、1つひとつの診療を大切にしていきたいと思います。診断から治療、手術、入院、術後の経過観察まで一貫して手がける中、患者さんが笑顔を取り戻される様子を目にするのは、医師として最高の喜びです。

違和感を覚えたら早めにクリニックへ

青葉病院 いんこう科 統括部長 杉本 晃

──患者さんにメッセージをお願いします。

聞くこと、話すこと、食べること、呼吸すること、匂いを嗅ぐこと、味わうこと。これらはすべて耳鼻いんこう科の診療領域であり、大切な機能です。これらの大切な機能をしっかりと維持するために存在するのが耳鼻いんこう科といえるでしょう。

コロナ禍の今は、残念ながら受診控えの傾向が顕著です。しかしその結果、癌などの進行性の疾患が悪化してしまっているケースも見受けられます。
「もっと早く受診しておけば」と後悔しないためにも、耳や鼻、のどに違和感を覚えたら、ぜひ早めにお近くのクリニックを受診してください。手術や入院が必要となったらクリニックから千葉市立青葉病院にご紹介いただけると思います。

「気のせい」「たいしたことはない」など自己判断はせず、ぜひ早めのご相談を心がけてください。

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