糖尿病教育入院について
糖尿病はインスリン作用不足により血糖が上昇する病気で、一度発症すると根治治療の難しい慢性疾患です。
著しい高血糖になれば口の渇き・多尿・体重減少などの症状が出ますが、それ以上に怖いのは無症状のまま経過していても高血糖が続くことで合併症が進行(網膜症で失明、腎障害で血液透析に至ったり、脳梗塞・心筋梗塞を発症したり)することです。
一方で、きちんと自己管理や治療をすれば合併症の進行を予防することができ、健康な方と変わらない生活を送ることも出来る病気でもあります。
このような糖尿病の合併症の予防・進行防止に対して効果的な治療を行うために、当院では糖尿病教育入院を実施しています。
糖尿病教育入院とは
1. 糖尿病教育入院とはなんですか?
糖尿病教育入院とは、糖尿病と診断された患者さんに対し、一定の期間入院していただき、糖尿病についての基礎知識の学習や療法などを実践しつつ学んでいただくためのプログラムです。
糖尿病の原因や症状、合併症、治療方法についての知識の習得とともに、食事療法や運動療法、血糖自己測定などの自己管理スキルを向上させて、「ご自宅に帰ってからも適切な自己管理・治療が行えるようになる」ことを主な目的としています。
2. どのような患者が対象ですか?
青葉病院では、下記のような方に糖尿病教育入院をお勧めしています。
- 健康診断で糖尿病と初めて診断された方
- 健康診断等で指摘された糖尿病がそのままになっている方(治療中断している方も含む)
- 糖尿病の食事療法・運動療法を体験したい方・血糖コントロールが悪く治療を見直したい方
- 糖尿病合併症の検査、治療を必要とする方
- 糖尿病と診断されてはいないが、血糖値が高いと言われた方
- 糖尿病の知識を身に付けたい方
3. 糖尿病教育入院の入院期間はどのくらいですか?
入院期間は、患者さんの病状にあわせて7日間から12日間までとなります。
4. 糖尿病教育入院のプログラム内容を教えてください
入院期間中は、糖尿病指導医・専門医を中心に、看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士からなる糖尿病チーム、そして眼科、整形外科、循環器内科等の他の診療科の協力のもとで患者さんをサポートします。
5. 糖尿病教育入院の費用はどのくらいかかりますか?
糖尿病教育入院は健康保険が適用になります。
入院費用は、検査や治療により若干異なりますが、健康保険の自己負担が3割負担の場合、7日間コースで約10万円、12日間コースで約15万円程度です(金額は目安です。検査内容により増減します)。
なお、個室を希望される場合には、別途個室料金がかかります。
6. 糖尿病教育入院は民間の医療保険の支払い対象になりますか?
医師が「入院を行った上での指導が必要」と判断して開始した教育入院の場合、入院給付金の支払い対象となる場合があります。
詳しくは加入する保険会社・共済等にお問い合わせください。
7. 青葉病院で糖尿病教育入院プログラムを受けるにはどうすればよいですか?
青葉病院では医師の診察の上、特に必要と認められる患者さんに対して糖尿病教育入院をお勧めしています。申し込みについては診察時に医師にご相談ください。