胎児精密検査(出生前検査)
胎児精密検査(出生前検査)について
※令和6年3月末で終了となります
当院では、胎児精密検査外来を設けております。ご家族が、生まれる前にどこまで知りたいか、あるいは知りたくないかを事前に確認してから、ご希望に応じて適切な検査を提案しています。
- 受診予約や紹介状は不要です。
- 他院で分娩される方でも受診可能です。
- 妊娠初期の検査をご希望の場合は、妊娠11週に新患外来を受診していただき、どの検査を受けたいかをご相談下さい。初回受診時に問診と採血などを行ない、妊娠13週頃に検査を行います。
- 妊娠12〜13週の方で妊娠初期検査をご希望の方は、受診前にお電話でご相談ください。
- 妊娠中期の検査をご希望の方は、予約をお取りしますので受診前にお電話ください。
診察日時
水曜日の午後:13時、14時、15時、16時の4回
お問い合わせ
電話:043-227-1131(代表)
(診療受付時間 月~金 8:30~11:00)
出生前検査の種類について
- 出生前検査とひとことで言っても、様々な種類があります。一般的な検査について、適切に行える週数については下の図をご覧ください。
- 妊娠22週を超えると胎児の観察が困難になるため、検査を受けたいかどうかは、妊娠の早い時期に考えておく必要があります。
- どの検査を受けるか迷われる場合には、妊娠11週を目安に、一度、初診外来にてご相談ください。(月~金 8:30~11:00)
実施検査一覧
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検査方法 | 検査時期 | 料金(税抜) |
---|---|---|
① 初期胎児構造評価 | 12~14週 | 25,000円 |
② コンバインドテスト (①+血清マーカー検査) |
11週0日~13週6日 | 45,000円 |
③ NIPT検査 ※他院へ紹介 |
10週〜 | 約15~20万円 |
④ 中期胎児構造評価 | 19~21週頃 | 25,000円 |
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当院の検査体制について
超音波検査では、明瞭な画像を得たり、正確な計測をするのに一定の技術が必要です。当院ではFMF(Fetal Medicine Foundation)認定の資格保持者による超音波検査を行なっています。また、当院はFMF Japanの認定施設であり、血圧測定や血清マーカー検査の質についても定期的に監査を受けて質の担保を行っています。
FMF Japanについての詳しい説明はこちら
各検査の内容および特徴
① 初期胎児構造評価
妊娠12週~14週頃に行う超音波検査です。
頭、顔面、心臓、脊椎、手足など、身体の基本構造を評価します。無脳症、心臓病、二分脊椎、腹壁欠損、手足の欠損などがあれば、高確率で見つけることができます。胎児はまだ10cmにも満たないくらい小さく、発達の初期段階であるため、この検査で全ての胎児疾患がわかるわけではありませんが、妊娠初期の不安な時期に赤ちゃんの発達を、詳しく観察することができます。
染色体数異常のうち、たとえばダウン症候群などは、形態的な特徴がないことも少なくないため、より正確な評価のためには、超音波マーカーと血清マーカー検査を組み合わせた検査(② コンバインドテスト)や③ NIPT検査を受ける必要があります。
② 染色体数異常の可能性評価(コンバインドテスト+)
妊娠11週0日~13週6日に行う検査です。
ダウン症候群、13トリソミー、18トリソミーについて、その症候群に特徴的なサインがあるかどうかを超音波検査で詳しく調べます。
超音波検査で確認する特徴的なサインとは、胎児の首のうしろのむくみ(NT;Nuchal Translucency)や、静脈管血流、三尖弁血流、鼻骨の有無、心拍数、心疾患の有無、脳の異常の有無などです。これに加えて、母体血中の胎盤由来ホルモン値を計測することで、胎児に染色体数異常があるかどうかの可能性を算出します。(結果の例:4分の1、18000分の1など)
NIPT(新型出生前検査)と比べると、曖昧な結果(例:ダウン症の可能性15分の1など)が出てしまうデメリットがありますが、NIPT検査を受けるか迷っている方や、年齢的にNIPT検査を受けられない方、費用的問題でNIPTを受けられない方は、コンバインドテストを受けてから、より正確な検査を受けるかどうか考えられるというメリットがあります。
胎児の形態評価をする必要があるため、コンバインドテストを受ける場合には、①の胎児構造評価も受けていただきます。
③ 染色体数異常の可能性評価
(NIPT;新型出生前検査;非侵襲的出生前遺伝学的検査)
妊娠10週以降に行う検査です。
母体血液中にある胎児由来のDNA断片を解析することにより、胎児にダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーがあるかどうかを調べる検査です。これら染色体数異常を調べるという目的においてはコンバインドテストと比較すると精度が格段に高い検査ですが、無脳症、心臓病、二分脊椎など、形態の評価はできない特徴があります。
NIPT検査を提供できる医療機関は、日本医学会による認可制となっており、この地域では千葉大学医学部附属病院で受けることができます。NIPT検査をご希望の方は、担当医にご相談下さい。
なお、NIPTを実施している施設で、超音波検査(胎児構造評価)を受けられない方は、① 初期胎児構造評価のみを受けることも可能です。(染色体数異常の可能性評価である② コンバインドテストを受ける意義はありません)
④ 中期胎児構造評価
妊娠19週~21週頃に行う検査です。
脳の発達や、心臓の形、心臓につながる血管の走行、顔面の発達、腎臓、脊椎など、妊娠初期での構造評価を、さらに詳しくおこないます。性別についてもこの時期にはほぼ確実に調べることができます。ダウン症候群に特徴的なサインがあるかどうかを調べることもできますが、この時期には形態的な異常がないことも多くなります。
染色体数異常については、妊娠初期検査(② コンバインドテストや③ NIPT検査)の方がより正確に評価することができます。
胎児異常がみつかった場合のその後について
胎児の状態に応じて、追加検査(絨毛検査・羊水検査・NIPTなど)や治療が必要となる場合があります。治療法や時期・場所も異なり、大学病院やこども病院などに紹介となることもあります。
胎児の精密検査によって、染色体数異常や遺伝子異常を疑う場合には、侵襲的検査(絨毛検査ないしは羊水検査)が必要となることがあります。絨毛検査と羊水検査の検査費用については、その解析内容によって異なりますので、お問い合わせください。
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ご両親の気持ちが不安定になることもあり、当院精神科リエゾン看護師や助産師によるサポートを受けることができます。同じ経験をしたご家族と繋がりたい場合には、NPO法人親子の未来を支える会の協力のもと、ピアサポート(同じ経験をした家族に話を聞く事)を受けることもできます。その他患者家族会への紹介などもできます。
医療機関の方へ
受診予約や紹介状は不要ですが、特記すべき注意事項や懸念点などがある場合には診療情報提供書をいただけると幸いです。NT肥厚を認める場合や、先天性疾患の家族歴がある場合、流産・死産の既往がある場合など、ご家族が胎児健診をご希望の場合には是非、当院外来をご紹介ください。
また、参考までに当院かかりつけの妊婦にお渡ししているパンフレットをご参照ください。