整形外科
特色・治療方針
基本理念
- 地域医療の基幹病院として近隣の病院や診療所・クリニックとの連携をはかり、骨折および一般外傷、手の外科、股関節外科、膝関節外科、肩関節外科、脊椎・脊髄外科など整形外科全般にわたる疾患・外傷に対して幅広く対応します。
- 長寿化に伴いさまざまな合併症のある高齢者の受診が増加していますが、他科との連携をはかり、個々の症例に応じたQOLを大切にして、最善の方法を説明・同意の上、治療を行います。
診療体制
- 当科は平成24年4月より千葉市立海浜病院整形外科と統合し、現在は10名で診療に当たり、うち7名は整形外科専門医です。さらに日本手外科学会専門医、日本人工関節認定医、脊椎脊髄病学会指導医、日本体育協会認定スポーツドクター、日本整形外科学会リウマチ医をはじめ、多方面にわたり専門医が在籍し、骨軟部腫瘍以外の全ての分野の疾患に対応できる体制を整えています。
- 外来診察は月~金の午前中5診で行い、うち2診が新患および救急患者の診察に当たっています。午後も救急患者の対応や専門外来などを行っています。
- 手術は月~金の毎日午前、午後で行っており、緊急手術にも対応しています。
- 千葉市夜間外科系救急の2次病院として、毎週土曜日・日曜日と平日の2~3日を当直医師1名、待機医師1名の体制で千葉市の夜間救急を支えています。
- 休日2次医療機関として、主に第2、第3日曜日の月3回、日直医師1名、待機医師1名の体制で千葉市の休日救急診療にあたっています。
- 日本整形外科学会専門医制度研修施設および日本手外科学会認定研修施設で、千葉大学医学部整形外科教室の研修指定病院として学生や研修医への教育も行いながら診療を行っています。
診療内容
- 地域医療の中核病院として、手術を要する外傷はもとより関節疾患、脊椎・脊髄疾患および上肢疾患などの診断から治療に対応しています。より高度な専門医療を要する疾患は、千葉大学医学部附属病院をはじめ専門医療機関と綿密な連携をもちながら最新の診療をおこなっています
- 定数60床のほとんどが手術症例で、平成30年度の年間手術件数は1773件と県内でもトップクラスです。主な内訳は手の外科手術306件、関節外科関連手術444件、そして脊椎・脊髄手術が133件でした。
対応疾患
当科にて対応可能な疾患について
【骨折および一般外傷】
- 最新の手技を取り入れながら、積極的な手術治療と早期リハビリテーションを行うことで、良好な機能回復をめざしています。
- 特に高齢化社会に伴い増加している大腿骨転子部骨折・大腿骨頚部骨折に対しては、可及的早期の手術治療とリハビリテーションの積極的な介入・継続が機能回復には重要で、平成24年9月から地域連携パスの運用を開始しました。これは回復期リハビリテーション病院と情報共有・連携しながらリハビリテーションを継続していただく取り組みで、地域連携相談員がご家族のご希望などを伺いながら転院などの手続きをすすめていきます。
【手の外科】
- 千葉市立病院以来の伝統を引き継いで、千葉県内外から多くの紹介を受けて治療にあたっています。骨折や腱損傷をはじめ、感染や植皮術などすべての疾患に対応可能で、県下での指導的立場を築いています。
- 成人の手術症例の多くは、注射で手術時の痛みをとる伝達麻酔で行い、日帰り手術または1泊入院を基本としています。
- 骨折を始めとする小児の外傷の場合、麻酔科医師による全身麻酔を要しますが、できるだけ即日対応・日帰り手術とすることで、ご家族への負担を軽減するようにしています。
手外科治療についての解説ページを作成しております。ぜひご覧ください。
【股関節外科】
- 股関節の軟骨がすり減り痛みが出る変形性股関節症に対しては、主に人工股関節全置換術を行っています。手術中レントゲン透視でインプラント設置角度などを確認しながら行える手術手技を平成27年から取り入れ、さまざまな股関節疾患や外傷に対応しています。
人工股関節手術(人工股関節置換術)についての解説ページを作成しております。ぜひご覧ください。
【膝関節外科】
- 膝関節の軟骨がすり減り、注射などでも痛みが軽減しない変形性膝関節症や慢性関節リウマチに対しては、人工膝全関節置換術を施行しています。当科では、手術中に膝の曲げ伸ばしのバランスを補正しながら行う手技を取り入れ、安定した成績を収めています。
- 膝の内側だけが痛くなる病態や軟骨性の半月板を痛めている場合もあり、MRIなどで診断の上、治療法を検討・ご相談いたします。
人工膝関節手術(人工膝関節置換術)についての解説ページを作成しております。ぜひご覧ください。
【肩関節外科】
- 腱板断裂:肩関節のインナーマッスルである腱板が断裂することで生ずる、肩関節の夜間痛や動作時痛、可動域制限などの症状に対して、理学療法で症状が改善しない場合には、関節鏡視下に糸付きのアンカーを用いて腱板を修復します。
- 反復性肩関節脱臼:肩関節の脱臼を繰り返す症例に対し、関節鏡視下に緩んだ上腕関節靱帯の緊張を修復します。
- 人工関節:骨接合が期待できない骨折症例や変形した肩関節症例に対しては、人工肩関節で置換することにより肩関節の機能再建を行います。
【脊椎・脊髄外科】
- 腰椎椎間板ヘルニア:腰痛、脚のしびれ・麻痺、坐骨神経痛など
- 脊柱管狭窄症、腰椎すべり症:腰痛、臀部痛、下肢痛しびれ、間欠性跛行など
- 脊椎圧迫骨折:背部痛、腰痛、変形など
- 頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、頚椎後縦靱帯骨化症:頚部痛、上肢しびれや痛み、麻痺、筋力低下、歩行障害など
上記疾患で手術が必要な患者さんに対しては可及的低侵襲な手術を行っております。手術室にはナビゲーションが導入され手術の低侵襲性と安全性が向上しています。
対応できない疾患について
悪性または悪性が疑われる整形外科領域での骨軟部腫瘍に対しては、その診断・治療に関して千葉県がんセンターなどの専門医療機関をご紹介する場合がございます。
診療実績
令和元年度の外来新患数は3217人で、年間手術件数は1786件と県内でもトップクラスです。その内訳は全麻手術738件、腰麻・硬麻手術137件、伝麻・局麻手術827件、脊椎・脊髄疾患132件および人工関節214件などになります。
また、最近では特に注意深い周術期管理が必要な高齢者の大腿骨転子部骨折・大腿骨頸部骨折が増加していますが、可能な限り早期手術を施行し、近隣のリハビリテーション病院と連携することで機能回復に取り組んでいます。
診療スタッフ
当科の特色についてインタビューを掲載しております。ぜひご覧ください。
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氏名 | 資格 | 専門分野 |
---|---|---|
院長 六角 智之 |
日本整形外科学会専門医 日本手外科学会専門医 日本リハビリテーション医学会専門医 日本体育協会認定スポーツドクター |
手外科 骨折・外傷一般 |
整形外科統括部長 坂本 雅昭 |
日本整形外科学会専門医 日本人工関節学会認定医 日本整形外科学会運動器リハビリテーション認定医 |
股関節外科 骨折・外傷一般 |
整形外科部長 茂手木 博之 |
日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 日本整形外科学会運動器リハビリテーション認定医 日本整形外科学会リウマチ医 日本整形外科学会スポーツ医 日本脊椎脊髄病学会指導医、 専門医 日本医師会認定産業医 日本体育協会公認スポーツドクター 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 |
脊椎・脊髄疾患 |
整形外科部長 輪湖 靖 |
日本整形外科学会専門医 日本人工関節学会認定医 日本整形外科学会リウマチ医 日本整形外科学会スポーツ医 |
股・膝関節外科 骨折・外傷一般 |
主任医長 小曽根 英 |
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医長 井上 嵩基 |
骨折・外傷一般 | |
医長 福島 駿 |
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医師 河野 真奈実 |
||
医師 川島 悠 |
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