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診療科目

人工股関節置換術の当院のこだわり

前方最小侵襲手術(AMIS)について

前方最小侵襲手術
(AMIS:エイミス)とは

股関節MRI水平断のイメージ画像
股関節MRI水平断の画像

股関節は断面図で見た場合、下肢の中心にあるため、いろいろなアプローチの仕方があります。

・後ろから(後方アプローチ)
・横から(側方アプローチ)
・斜め前から(前側方アプローチ)
・前から(前方アプローチ)

など医療機関によって得意なアプローチで行っているのですが、どのアプローチもメリット、デメリットはあるので一概にどのアプローチが優れているとはいえません。

青葉病院では、人工股股関節置換術を行うにあたり「前方アプローチ」を採用しております。

前方アプローチはもともと2つの筋肉(縫工筋、大腿筋膜張筋)の間から入るのでMIS(Minimally invasive surgery:最小侵襲手術)アプローチといわれますが、その中でもさらに侵襲(患者さんの身体への負担)が少ないと言われているAMIS(エイミス:anterior minimally invasive surgery)アプローチを採用しています。

AMISアプローチの図解
AMISアプローチ
筋肉の間からの侵入かつ関節包の切開が小さい

なぜAMISアプローチが良いのか

人工股関節置換術では、インプラントを適切に設置するために足を曲げたり捻ったりして手術操作を行うスペースを確保しますが、適切な位置で患者さんの足を保持するのは意外と難しいものです。単純に力と体力がいりますが、経験や技術も必要です。

レッグポジショナーのイメージ画像
レッグポジショナー

AMISアプローチでは専用のレッグポジショナーに患者様の足を着けることで自在に股関節を曲げたり捻ったりすることができ、適切な位置で安定して保持することが可能になります。この「安定して足を保持できる」ということがとても大事です。

さらにAMISアプローチ専用のデバイスがあって、こちらも年々改良されています。詳細は少々マニアックな話になるので割愛しますが、これらにより余計な筋肉やほかの組織(関節包や靭帯)を切らずに手術を行うことができます。

筋肉や靭帯を温存することにより、術後の疼痛の軽減や早期回復、脱臼の防止につながります。

適切なインプラント設置の重要性

アプローチにおいては筋肉や靭帯をできるだけ温存することが重要と説明しましたが、人工股関節置換術においてもう一つ大事なことは「適切な位置、角度でインプラントを設置すること」です。

人工股関節インプラントのイメージ画像
インプラントの構造

執刀医が位置や角度を調整できるものは「カップ(骨盤側のインプラント)」「ステム(大腿骨側のインプラント)」があります。
ライナーと骨頭ボールというインプラントも入りますが、これはカップとステムに付随するものなので位置の調整はできません

個人の骨の形にもよりますが、カップもステムも適切な設置角度というものがあります。

人工股関節置換術のレントゲン画像
カップ設置をレントゲン透視で確認

当院では人工股関節置換術は術中レントゲン透視で適切な角度を確認しながら手術を行っております。

術中透視を確認することで正確な角度の設置が可能であることは当院からも学会で報告されており(※1)、手術中にリアルタイムでレントゲン透視で確認することで、正確なカップ設置が可能です。

人工股関節置換術のレントゲン画像
ステム設置をレントゲン透視で確認

さらに当院ではステムの設置角度も透視で確認する方法も採用しており(※2)、レントゲン透視を使うことにより患者さんの負担を増やすことなく、適切なインプラント設置を行うようにしております。
適切なインプラント設置を行うことにより、脱臼の防止や長期的にはライナーの摩耗などを軽減し、インプラントを長持ちさせることができます。

三次元(3D)術前計画の実施

人工股関節置換術における三次元(3D)術前計画は、患者さんのCTデータをもとにコンピュータ上で骨の立体構造を再現し、最適なインプラントの種類・サイズ・設置角度を高精度にシミュレーションする手法です。

3次元術前計画で使用するデータのイメージ
3次元術前計画で使用するデータのイメージ

当院も以前は単純レントゲンを用いた2次元(2D)での術前計画を行っていましたが、2次元の術前計画では手術前に大まかなインプラントサイズや骨形態の把握しかできませんでした。

3次元術前計画を導入することによって、2Dではあいまいだった細かい骨形態を立体的に把握できるようになり、手術に際して適したインプラントサイズ・設置角度などをより綿密に計画することが可能になりました。

人工股関節置換術についての詳しい説明やよくあるご質問については「人工股関節について」のページをご覧ください。

参考文献

※1 輪湖 靖(千葉市立青葉病院 整形外科), 渡辺 仁司, 永井 彬登, 坂本 雅昭
レッグポジショナーを用いた最小侵襲前方侵入法(AMIS approach)における,術中透視を用いたステム前捻角測定の正確性の検討. Hip Joint 49巻1号 Page495-501(2023.08)

※2 輪湖 靖(千葉市立青葉病院 整形外科), 渡辺 仁司, 北條 篤志, 坂本 雅昭
レッグポジショナーを用いた最小侵襲前方進入法(AMIS approach)における、術中骨盤傾斜とカップアライメントの検討. Hip Joint46巻1号 Page142-146(2020.08) 

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