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診療科のご案内

大動脈離断(IAA:Interrupted Aortic Arch)

大動脈離断IAAは先天性心疾患全体の0.6%を占めます。大動脈弓と下行大動脈の間で連続性がない(つながっていない)のが特徴です。

大動脈が離断している場所は、左鎖骨下動脈の先で離断が起こるもの(タイプA)が70%、左総頚動脈と左鎖骨下動脈の間に起こるもの(タイプB)が30%、左総頚動脈の手前で離断が起こるもの(タイプC)が5%以下の頻度と報告されています。大動脈離断のほとんどで心室中隔欠損(VSD)が存在します。

上行大動脈から大動脈弓部の枝には酸素濃度が高い血液が流れます。心室中隔欠損を通って 左心室からの酸素濃度の高い動脈血と酸素濃度の低い静脈血が右心室で混合し、肺動脈に流れます。

肺動脈から動脈管を通って下行大動脈に血液が流れます。よって上半身と下半身では 動脈酸素飽和度に差が出ます。下半身に酸素飽和度が低いチアノーゼが起こります。

治療

下半身、腸管など腹部臓器への血流は動脈管によってまかなわれます。よって生後すぐに診断された後はプロスタグランジンという薬剤を持続点滴して動脈管を開いておく必要があります。

手術により治療します。手術は人工心肺を使用して心停止下で行います。手術は、1)動脈管の切除、2)大動脈弓部の再建、3)心室中隔欠損(VSD)をゴアテックス®︎などの人工心膜パッチで閉鎖を行います。

説明の中の図は「PICUハンドブック 小児集中治療の最前線 テコム」から許諾を得て掲載しています。

先天性心疾患の病態

心臓血管外科