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診療科のご案内

総肺静脈還流異常症(TAPVD:Total Anomalous Pulmonary Venous Drainage)

総肺静脈還流異常症は、全先天性心疾患の1.5%を占めます。肺で酸素化された血液は肺静脈を介して心臓に戻りますが、その肺静脈が直接左心房につながらず、右側の静脈に接続して、右心房から心房間交通(心房中隔欠損)を通って左心房に入ります。

よって酸素濃度の低い血液が左心房から左心室、大動脈に流れます。全身には酸素濃度の低い血液が流れるためチアノーゼが現れます。

共通肺静脈がどこの体静脈に接続するかによって、1)上心臓型、2)下心臓型、3)心臓型、またそれらの組み合わせによる4)混合型に分類されます。

肺静脈の流れがこの経路のどこかで狭くなったり圧迫されたりすると、心臓から拍出する血液量が減る低心拍出状態になったり、肺から血液が心臓に流れにくい状態(肺うっ血)を起こすことがあります。
肺の手前の肺動脈の圧が高くなる「肺高血圧症」になることもあります。このような閉塞型の場合、生後すぐに手術が必要になります。

治療

新生児期に、手術により治療します。手術は人工心肺を使用し心停止下で行います。手術では、共通肺静脈を直接左心房に接続し、肺静脈から左心房にスムーズに血液が流れるようにします。心臓型では、心房中隔を自己心膜(心臓を包んでいる膜)パッチを使って閉鎖します。

説明の中の図は「PICUハンドブック 小児集中治療の最前線 テコム」から許諾を得て掲載しています。

先天性心疾患の病態

心臓血管外科