大血管転位症(TGA:Transposition of Great Arteries)
大血管転位TGAは先天性心疾患の2%を占める疾患です。出生10,000人に対し2~3人に起こるといわれています。
治療
生まれたばかりの時期に卵円孔が十分に開いていない場合、動脈の酸素飽和度が低くなることがあります。
この場合、緊急的にカテーテルで卵円孔を開ける処置が必要になります。卵円孔を開けることで、酸素飽和度の高い血液が左心房から右心房により流れ、動脈の酸素飽和度が上昇します。
手術は「動脈スイッチ手術」が行われます。手術は人工心肺を使用し心停止下で行います。大動脈が左心室から、肺動脈が右心室から出るように変更します。さらに冠動脈を新しい大動脈の基部(つけ根)に移植します。
大動脈は後方に、肺動脈は前方に置換されます。肺動脈の欠損部分は自己心膜(心臓を包んでいる袋)パッチで補填します。
説明の中の図は「PICUハンドブック 小児集中治療の最前線 テコム」から許諾を得て掲載しています。
先天性心疾患の病態
- 心室中隔欠損症(VSD:Ventricular Septal Defect)
- 心房中隔欠損症(ASD:Atrial Septal Defect)
- 房室中隔欠損(AVSD:Atrio-Ventricular Septal Defect)
- 肺動脈絞扼術(PA banding術)
- ファロー四徴症(Tetralogy of Fallot)
- 心室中隔欠損のない肺動脈閉鎖(PA / IVS:Pulmonary Atresia / Intact Ventricular Sep-tum)
- BCPS(Glenn(グレン))手術
- フォンタン(Fontan)手術
- 総肺静脈還流異常症(TAPVD:Total Anomalous Pulmonary Venous Drainage)
- 大血管転位症(TGA:Transposition of Great Arteries)
- 総動脈幹症(Truncus Arteriosus)
- 大動脈縮窄症(CoA:Coarctation of Aorta)
- 大動脈離断(IAA:Interrupted Aortic Arch)