泌尿器科
特色・治療方針
基本方針
診療に際しては、病状及び治療方針の十分な、そして分かりやすい説明を行い、患者さん・御家族にとって納得のできる医療を行います。
最新の知見をふまえた上で、標準的治療をより安全に、確実に実践します。
診療内容
日本泌尿器科学会専門医教育施設(基幹教育施設)に認定されています。
常勤医師は、4名です。
泌尿器科では、主に腎臓、尿管、膀胱、尿道等の尿路の疾患および男性生殖器の前立腺、精巣等の疾患の診断、治療を担当しています。
当科では、排尿障害、尿路感染症等の一般泌尿器科の他に腎尿管結石に対する体外衝撃波治療(ESWL)およびレーザー砕石器を用いた内視鏡治療(TUL)、泌尿器悪性腫瘍(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍等)に対する手術、化学療法、前立腺肥大症に対するホルミウムレーザーを用いた最新の低侵襲手術(HoLEP)等に積極的に取り組んでいます。特にHoLEPは、平成19年6月の導入以後1,000件以上の手術を施行させていただき、前立腺肥大症の標準的治療として良好な成績を収めています。また、副腎腫瘍、腎癌、腎盂尿管癌などに対しても、平成23年度より低侵襲手術として腹腔鏡手術を本格的に導入しています。
泌尿器レーザー手術(HoLEP)についての解説ページを作成しております。ぜひご覧ください。
対応疾患
外来診療
新患、再来とも月曜日から金曜日の午前中(月曜日、水曜日、金曜日は3診体制、火曜日、木曜日は手術のため2診体制で再来は制限しております)。
月曜日、水曜日、金曜日の午後は、再来のみとなります。
腎臓、膀胱の超音波検査、膀胱の内視鏡検査等は外来にて施行しています。
以下に、泌尿器科外来診療の対象となる代表的な疾患をお示しします。
尿潜血
健診等で指摘され、多数の方が受診します。一般検尿、尿細胞診検査のほかに腎臓、膀胱の超音波検査を行っています。その他、レントゲン検査、膀胱の内視鏡検査が必要となることがあります。精密検査の結果、治療を必要とする泌尿器科疾患が見つかるのは10%以下です。また、蛋白尿を合併する場合には、腎炎等の可能性もあり、腎臓内科での検査が必要となる場合があります。
尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎等)
女性に多く、抗生剤の内服治療が主体ですが、腎盂腎炎の場合高熱を伴うこともあり入院での点滴が必要となる場合もあります。
尿路結石症(腎結石、尿管結石等)
一般に強い痛みの発作で発症することが多く、鎮痛処置が優先されます。症状により入院点滴が必要な場合もあります。治療は、短期入院での体外衝撃波による結石破砕(ESWL)や内視鏡手術(TUL)が主体となります。
前立腺肥大症
60歳以上(男性)の方に多く、排尿困難、夜間頻尿、残尿感等の症状を伴います。内服治療が有効ですが、症状が強く、残尿が多い場合等には手術が必要になります。また、前立腺癌との鑑別のために採血にて腫瘍マーカーのPSA(前立腺特異抗原)の検査が重要です。
神経因性膀胱、尿失禁
脳血管障害、脊髄疾患、糖尿病による末梢神経障害等の神経の障害が原因で起こる排尿障害を神経因性膀胱といいます。残尿の状態により、薬物治療の他、間欠的自己導尿の指導、管理を行っています。また、女性に多い尿失禁に対しても、薬物治療を主体に治療を行っています。
泌尿器悪性腫瘍
腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍等が代表的です。血尿、疼痛、排尿障害等の症状で受診されるのが一般的ですが、自覚症状を伴わないことも多く、人間ドック、健診等で異常を指摘されて受診されることも珍しくありません。外来での精密検査の後、入院での手術を主体とした治療を行っています。
入院診療
病床数は18床(3階東病棟)で、週2回、火曜日と木曜日が手術日です。体外衝撃波結石破砕治療は週3回月曜日、水曜日、金曜日に施行しています。
以下に、入院治療の必要となる代表的疾患についてお示しします。
尿路結石
体外衝撃波治療(ESWL)を2日間の入院で施行しています。結石の状態によっては、繰り返しの治療や内視鏡手術が必要になる場合があります。
前立腺肥大症
最近は、薬物治療が有効な場合も多く、以前より手術件数は減少傾向です。しかし、自覚症状が強く、残尿が多い場合などには、手術の適応になります。内視鏡手術(経尿道的切除術)が一般的です。当院では、ホルミウムレーザーを用いた最新の低侵襲手術(HoLEP)を施行しています。
前立腺癌
自覚症状を伴わない場合が多く、採血でのPSA検査の異常で疑われます。超音波ガイド下に10ヵ所以上の針生検を施行し、確定診断を得ます。当科では安全のため、2日間の入院で局所麻酔下に針生検を施行しています。治療は、病状により、前立腺全摘出術等の手術、内分泌療法等を施行しています。
膀胱癌
血尿を伴うことが多く、膀胱の内視鏡検査で診断されます。病状により、内視鏡手術(経尿道的切除術)、膀胱全摘出術が施行されます。膀胱摘出後は回腸導管などの尿路変更が必要になります。手術以外には、BCG膀胱内注入療法、化学療法等を施行しています。
腎癌
自覚症状を伴わずに、超音波、CT検査等で見つかる場合が多くなってきています。手術(腹腔鏡下腎摘出術)が一般的です。手術以外では、主に分子標的薬治療を施行しています。
精巣腫瘍
20歳代の若い男性に発生しやすい悪性腫瘍です。痛みを伴わない精巣の腫大が一般的な症状です。精巣摘出手術の後、病状により化学療法等が追加されます。精巣腫瘍は、化学療法が効きやすく進行症例でも7~8割近い治癒が期待できる疾患ですが、やはり早期に発見することが重要で、自覚症状があれば躊躇せずに受診されることをお勧めします。
その他
尿路閉塞に伴う腎不全(腎後性腎不全)に対する尿管ステント留置、経皮的腎瘻造設術等も施行しています。
診療実績
令和元年度 手術統計
ラパロ(腹腔鏡下)副腎摘出:12
ラパロ腎摘出:4
ラパロ腎部分切除:0
開腹腎摘:0
開腹腎摘(良性):1
開腹腎部分:0
ラパロ腎尿管:12
開腹腎尿管:4
前立腺全摘:11
膀胱全摘+回腸導管:2
膀胱全摘+尿管皮膚瘻:1
HoLEP:120
経尿道的膀胱腫瘍切除術:87
TUL:42
前立腺生検:118
ESWL:134
手術合計:544
合計:680
診療体制・スタッフ
当科の特色についてインタビューを掲載しております。ぜひご覧ください。
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氏名 | 資格 | 専門分野 |
---|---|---|
泌尿器科 統括部長 松本 精宏 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本泌尿器科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 |
泌尿器科一般 尿路結石治療 泌尿器腫瘍外科 |
主任医長 寺中 さやか |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 | 泌尿器科一般 |
主任医長 菅原 翔 |
泌尿器科一般 | |
医長 番場 大貴 |
||
医師 榎本 晃子 |
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